犬の遺伝子検査、病院の費用は？自宅キットとの比較とおすすめ

大切な家族の一員である愛犬には、一日でも長く健康でいてほしい。そう願う飼い主様は多いのではないでしょうか。近年、科学技術の進歩により、将来の病気リスクを予測できるペットの遺伝子検査が注目を集めています。しかし、いざ検討しようとすると、犬の遺伝子検査でわかることは具体的に何なのか、犬の遺伝子検査はどこで受けられるのか、そして動物病院で受ける場合の費用はどのくらいかかるのか、といった多くの疑問が浮かんでくるかもしれません。この記事では、それらの疑問を一つひとつ解消し、愛犬にとって最適な選択ができるよう、各社のサービスを比較しながら詳しく解説していきます。

この記事でわかること

犬の遺伝子検査の必要性とわかること
動物病院と自宅検査キットのメリット・デメリット
主要な遺伝子検査サービスの費用と特徴の比較
あなたの愛犬に最適な検査選びのポイント

犬の遺伝子検査を病院で？費用と基本情報を解説

そもそも遺伝子検査はなぜ必要か
犬の遺伝子検査でわかることとは？
犬の遺伝子検査はどこでできる？
自宅でできる検査キットの簡単な流れ
検査結果と獣医監修のサポート内容

そもそも遺伝子検査はなぜ必要か

愛犬の将来の健康を考える上で、遺伝子検査は非常に有効な選択肢の一つです。なぜなら、多くの病気は「遺伝要因」と「環境要因」の2つが組み合わさって発症すると言われているからです。言葉を話せないペットの遺伝的なリスクを事前に把握することは、的確な病気予防の第一歩となります。

例えば、将来かかりやすい病気が分かっていれば、食事管理や運動、生活環境を見直すことで、発症を遅らせたり、症状を軽くしたりできる可能性があります。今日の明日の体調は分からなくても、遺伝子情報を知ることで、数年後、10年後の病気に備えることができるかもしれません。

このように、遺伝子検査は単なる好奇心を満たすものではなく、愛犬の生涯にわたる健康管理計画を立てるための、科学的根拠に基づいた重要なツールなのです。

犬の遺伝子検査でわかることとは？

犬の遺伝子検査を受けることで、肉眼ではわからない様々な情報を知ることができます。これらは愛犬の健康管理や、より良い関係づくりに役立ちます。

遺伝子検査で把握できる主な項目

遺伝病のリスク評価：特定犬種に多い遺伝性疾患の発症リスクを評価します。早期発見と予防策の検討に繋がります。
健康状態・体質の把握：アレルギーや肥満のリスク、消化機能の特性など、個々の体質に関する情報を得られます。最適な健康管理に役立ちます。
最適な食事プランのヒント：遺伝情報に基づいた栄養バランスの調整により、愛犬に合った食事プランを考える上での参考になります。
犬種判定：ミックス犬の場合、どのような純血種の遺伝子をどのくらいの割合で持っているかを知ることができます。
遺伝的な性格の傾向：サービスによっては、遺伝子が影響するとされる性格の傾向（社交性や好奇心など）を検査できる場合もあります。

もちろん、遺伝子検査の結果がすべてではありません。しかし、これらの情報を知ることで、漠然とした将来への不安を減らし、より具体的で前向きな対策を始めるきっかけになるでしょう。

犬の遺伝子検査はどこでできる？

犬の遺伝子検査を受ける方法は、主に2つあります。それは「動物病院」で受ける方法と、「自宅検査キット」を利用する方法です。

動物病院で受ける場合は、かかりつけの獣医師に相談し、採血や口腔内細胞の採取をしてもらいます。獣医師と直接相談しながら進められる安心感が最大のメリットです。一方、自宅検査キットは、オンラインで申し込み、送られてきたキットを使って自分で愛犬の口腔粘膜を採取し、返送するだけです。手軽で、ペットを病院に連れて行くストレスがないのが利点と言えます。

どちらが良いかは一概には言えず、飼い主様の考え方や愛犬の性格によって選択は変わります。それぞれのメリット・デメリットを下の表にまとめました。

	動物病院	自宅検査キット
メリット	獣医師に直接相談できる採血など専門的な採取が可能結果についてすぐ質問できる	自宅で手軽にできるペットのストレスが少ない費用が比較的安い傾向にある
デメリット	費用が高くなる傾向がある通院の手間と時間がかかるペットにストレスがかかる場合がある	自分で粘膜を採取する必要がある結果についてすぐには質問できないサポート体制は会社による

自宅でできる検査キットの簡単な流れ

「自宅で検査するのは難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、実際の手順は非常にシンプルです。ここでは、一般的な自宅検査キットの流れをご紹介します。

検査の申込み：パソコンやスマートフォンから、検査会社の公式サイトにアクセスし、必要事項を入力して申し込みます。
検査キットの受け取り：申込みから数営業日で、自宅に「遺伝子検査キット」が届きます。内容物（説明書、採取用綿棒、返信用封筒など）を確認しましょう。
ペットの粘膜を採取：説明書に従い、付属の綿棒で愛犬の口の中（頬の内側）を優しくこすって粘膜を採取します。痛みは全くなく、多くの犬は嫌がることなく行えます。
検体の返送：採取した綿棒を専用の容器に入れ、返信用封筒で検査機関へ送付します。
検査結果の確認：検体が検査機関に到着してから約2週間～1ヶ月後、会員ページなどで結果が通知されます。郵送で検査結果証が届くサービスもあります。

これなら、病院が苦手な子でもお家でリラックスしながらできそうですね。手続きもオンラインで完結するのが手軽で嬉しいポイントです。

検査結果と獣医監修のサポート内容

遺伝子検査において最も重要なのは、検査結果を受け取った後、その情報をどう活かすかです。結果を見て一喜一憂するだけでなく、具体的なアクションに繋げることが愛犬の健康を守る鍵となります。

この点で、サービスのサポート体制は非常に重要です。例えば、今回ご紹介する「Pontely（ポンテリー）」のようなサービスでは、検査したすべての疾患に対して、獣医師が監修した具体的な予防方法のアドバイスを提供しています。

結果の解釈には注意が必要

遺伝子検査で「リスクあり」と判定されても、必ずしもその病気を発症するわけではありません。あくまで遺伝的な”かかりやすさ”を示すものです。逆に「リスクなし」でも、環境要因や他の遺伝子により発症する可能性はゼロではありません。結果はあくまで健康管理の一つの指針として捉えましょう。

信頼できるサービスは、ただ結果を提示するだけでなく、その結果に基づいて「何をすべきか」を一緒に考えてくれるパートナーになります。サービスを選ぶ際は、こうしたアフターフォローの手厚さもぜひ確認してください。

犬の遺伝子検査、病院とキットの費用を3社で比較

Pontely：豊富なプランとサポート
ペットの実家：ブリーダー向け価格
国内ラボ利用の格安検査サービス
各社の料金プランと検査項目を比較
Pontelyが持つ支払い方法の多様性
総括！犬の遺伝子検査と病院・自宅の費用まとめ

Pontely：豊富なプランとサポート

「Pontely（ポンテリー）」は、獣医師監修による手厚いサポートが魅力の遺伝子検査サービスです。飼い主の不安に寄り添い、検査結果に基づいた具体的な健康サポート方法を提案してくれます。

大きな特徴は、目的に応じて選べる複数の料金プランです。犬種ごとにおすすめの遺伝性疾患をまとめて検査できるプランや、まずは必須の1項目から試せるプランなど、ニーズに合わせて選択できます。

Pontelyの主なプラン（2025年8月時点）

公式サイトの情報によると、以下のようなプランが提供されています。

Health Plan（15,400円税込）：犬種ごとにおすすめの3つの遺伝性疾患を検査。
Starter Plan（5,500円税込）：犬種ごとに必須の1つの遺伝性疾患を検査。
追加検査（1疾患 5,500円税込）：気になる疾患を追加で検査可能。

（参照：Pontely公式サイト）

全ての検査結果に獣医師監修の予防法が付いてくるため、「検査して終わり」ではなく、具体的なアクションに繋げやすいのが最大の強みです。愛犬の健康管理に本気で取り組みたい飼い主様にとって、心強いサービスと言えるでしょう。

ペットの実家：ブリーダー向け価格

「ペットの実家」は、優良ブリーダー向けのポータルサイトが展開する遺伝子検査サービスです。その特徴は、なんといっても価格設定にあります。

ブリーダーが多頭数の検査を行うことを想定しているため、1項目あたりの費用が非常に安価に設定されています。公式サイトの情報では、2021年9月時点で1項目4,850円（税込）とされており、コストを抑えたい方にとっては魅力的な選択肢です。

ブリーダー向けならではの情報提供

「ペットの実家」のサイトでは、犬種ごとの遺伝病保有率や発症しやすい年齢といった、ブリーディングに役立つ客観的なデータも公開しています。これは一般の飼い主にとっても、愛犬の犬種が持つリスクを知る上で参考になる情報です。

申込みに必要な情報が少ないなど、手続きがシンプルな点も特徴です。ただ、サービス全体がブリーダー向けに最適化されているため、一般の飼い主へのアフターフォローやサポート内容については、Pontelyなどのサービスと比較検討する必要があるかもしれません。

国内ラボ利用の格安検査サービス

近年では、国内の検査ラボと直接提携し、非常にリーズナブルな価格で遺伝子検査を提供するサービスも登場しています。インプットした情報の中には、1検査3,300円（税込）からという驚きの低価格を実現しているサービスもありました。

こうしたサービスの強みは、価格の安さと結果報告の速さです。国内にラボがあるため、検体の輸送時間が短縮され、最短で2営業日といった迅速な結果報告を可能にしています。有料の「特急便」オプションを用意している場合もあります。

安さだけで選ぶ際の注意点

価格が安いことは大きなメリットですが、サービスを選ぶ際は料金以外の要素も重要です。例えば、検査精度、検査項目、結果に対するアドバイスやサポート体制がどの程度提供されるのかを事前にしっかり確認することが大切です。安価なプランでは、詳細な解説や個別のアドバイスが含まれない場合もあるため注意しましょう。

まずは気軽に試してみたい、特定の1項目だけを急いで知りたい、といったニーズには非常にマッチする選択肢と言えます。

各社の料金プランと検査項目を比較

ここまでご紹介した3つのサービスタイプの特徴を、比較しやすいように表にまとめました。動物病院での検査は、病院や検査機関によって費用が大きく異なるため、一般的な相場として記載します。

サービスタイプ	料金（目安）	主な特徴	おすすめな人
動物病院	15,000円～50,000円/回	獣医師と直接相談できる安心感。専門的な採取が可能。	費用より専門家との対話を重視する人
Pontely	5,500円～15,400円/プラン	獣医師監修の詳しいアドバイス。豊富なプラン。支払い方法が多様。	結果を元に具体的な健康管理をしたい人
ペットの実家	約4,850円/1項目	ブリーダー向け価格で安価。犬種ごとのデータが豊富。	とにかくコストを抑えたいブリーダーや多頭飼いの人
国内ラボ格安サービス	約3,300円～/1項目	業界最安クラスの価格。結果報告がスピーディー。	特定の項目を安く、早く知りたい人