【獣医師解説】犬が靴下を持っていく理由と危険性|やめさせる対策

当ページのリンクには広告が含まれています。
犬が靴下をくわえている
ペットくすり公式
うさパラ
スポンサーリンク

愛犬がなぜか靴下をくわえて持っていく…そんな愛らしい行動に、思わず笑みがこぼれる飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし、その一方で、なぜそこまで靴下に執着するのか不思議に思うこともあるはずです。実は、犬が靴下を持っていく理由には、単なるいたずらではない、様々な気持ちが隠されています。この記事では、犬 靴下 持っ て いく行動の背景にある心理から、思わぬ危険性、そして今日からできる対策まで、専門家の解説を交えながら詳しく掘り下げていきます。

この記事でわかること
  • 犬が靴下を好む主な理由
  • 行動に隠された犬の気持ち
  • 注意すべき誤飲のリスク
  • 今日からできる具体的な対策
目次

なぜ?犬 靴下 持っ て いく行動の背景

  • 犬 が 靴下 を 持っ て いく 理由とは?
  • 飼い主に遊んでほしいというサイン
  • 大好きな飼い主の匂いで安心する
  • 人には分からないフェロモンの匂い
  • 噛むことでストレスを発散している
  • 布の噛み心地や素材感が好きだから

犬 が 靴下 を 持っ て いく 理由とは?

犬が靴下を持っていく行動には、実にさまざまな理由が考えられます。単なる「いたずら」と片付けてしまうのは簡単ですが、その裏には犬なりのメッセージが込められていることが多いのです。主な理由としては、飼い主の注意を引きたい、大好きな飼い主の匂いに安心感を覚える、あるいはストレスを感じているなどが挙げられます。これらの理由は一つだけではなく、複数の要因が複雑に絡み合っている場合も少なくありません。愛犬の行動の背景を理解することは、より良い関係を築くための第一歩と言えるでしょう。

飼い人に遊んでほしいというサイン

犬にとって、飼い主とのコミュニケーションは非常に重要です。靴下を奪って走り回ると、飼い主が「こら!」と言いながらも追いかけてくれることがあります。犬はこの飼い主の反応を「遊んでくれている」と学習するのです。特に、飼い主が身支度で忙しい朝の時間帯や、他のことに集中している時を狙ってアピールしてくる子もいます。これは「もっと自分を見てほしい」「一緒に遊びたい」という、犬からの健気なサインなのかもしれません。この行動は、飼い主の注意を引くための効果的な方法だと犬が理解している証拠です。

大好きな飼い主の匂いで安心する

犬は非常に優れた嗅覚を持っており、匂いから多くの情報を得ています。中でも、大好きな飼い主の匂いは、犬にとって最高の精神安定剤です。特に履いた後の靴下は、飼い主の匂いが強く残っているため、犬にとっては宝物のような存在になります。自分のベッドやケージといった安心できる場所に靴下を運び込み、それに顔をうずめたり、一緒に眠ったりすることで、大きな安心感を得ているのです。留守番中に靴下をそばに置いている場合は、飼い主の不在による寂しさを紛らわそうとしているのかもしれません。

人には分からないフェロモンの匂い

人の汗には、その人特有の「フェロモン」が含まれています。私たち人間には感知できないこの匂いを、犬は優れた嗅覚で嗅ぎ取ることができます。犬の嗅覚は人の約1億倍ともいわれており、微量なフェロモンからも情報を読み取っているのです。飼い主のフェロモンを嗅ぐことで、犬は精神的な安定や安心感を得られると考えられています。つまり、犬が靴下に執着するのは、飼い主との絆を感じ、心を落ち着かせるための本能的な行動とも言えるでしょう。

犬にとって飼い主さんの匂いは特別なものです。靴下はその匂いが凝縮されたアイテム。そばにあるだけで安心してリラックスできるんですね。

噛むことでストレスを発散している

犬は「噛む」という行為を通じて、ストレスを発散させることがあります。これは、人がガムを噛んでリフレッシュする感覚に似ています。もし、愛犬が靴下を執拗に噛み続けている場合、運動不足やコミュニケーション不足、環境の変化などによってストレスが溜まっている可能性が考えられます。靴下は手頃なサイズで噛み心地も良いため、格好のターゲットになりやすいのです。この行動が見られる場合は、愛犬との遊びの時間を増やしたり、散歩の質を高めたりするなど、ストレスを解消できる他の方法を提供してあげることが大切になります。

他のストレスサインにも注意

靴下を噛む以外にも、以下のような行動はストレスのサインかもしれません。

  • 自分の尻尾をぐるぐる追いかける
  • 体を頻繁に掻いたり舐めたりする
  • あくびを繰り返す
  • 食欲が落ちる、または過食になる

これらのサインが見られたら、愛犬が何にストレスを感じているのか原因を探ってみましょう。

布の噛み心地や素材感が好きだから

理由の中には、もっと単純なものもあります。それは、布の噛み心地や質感が好きというものです。子犬の頃はいろいろなものを噛んで、それがどんなものかを確認します。その経験から、靴下の柔らかさや伸縮性が気に入り、おもちゃの一種として認識している可能性があります。タオルやぬいぐるみで遊ぶのが好きな犬が、同じような感覚で靴下を選んでいるケースも少なくありません。この場合、犬にとっては純粋な遊びの一環であり、悪気は全くないのです。

犬 靴下 持っ て いく行動に伴う注意点

  • 7割の犬が靴下などを奪うという調査結果
  • 誤飲すると開腹手術になる可能性も
  • マスクやスリッパなど他の物にも注意
  • 遊び終わった後は必ず回収しよう

7割の犬が靴下などを奪うという調査結果

実は、飼い主の靴や靴下を奪う犬は決して珍しくありません。ある調査によれば、飼い主さんの7割が「愛犬が靴やスリッパ、靴下などを奪うことがある」と回答しています。(いぬのきもちWEB MAGAZINE調べ)この結果からも、非常に多くの犬が飼い主の履物に強い興味を持っていることがわかります。玄関から靴を運んできたり、洗濯物の中から器用に靴下だけを見つけ出したりと、そのエピソードは様々です。「うちの子だけ?」と悩む必要はなく、多くの飼い主が経験する「あるある」な行動なのです。

調査概要

いぬのきもちWEB MAGAZINE『犬のイタズラに関するアンケートvol.01』より、飼い主221名への調査で、約7割が該当する結果となっています。

誤飲すると開腹手術になる可能性も

靴下で遊ぶ姿は微笑ましいですが、そこには重大な危険が潜んでいます。それは「誤飲」のリスクです。犬にとって口に入る大きさのものは、遊びに夢中になるあまり、誤って丸呑みしてしまう可能性があります。飲み込まれた靴下は、胃や腸で詰まってしまい、腸閉塞を引き起こすことがあります。腸閉塞は命に関わる危険な状態で、内視鏡での摘出や、場合によっては開腹手術が必要になります。特に体の大きな大型犬は、小さな靴下を簡単に飲み込めてしまうため、より一層の注意が求められます。

スポンサーリンク

誤飲による手術は高額に

万が一、開腹手術となった場合、その費用は決して安くありません。動物病院や犬の状態によって異なりますが、数十万円の費用がかかることも珍しくなく、飼い主にとって大きな経済的負担となります。愛犬を苦しみから守るためにも、誤飲は絶対に防がなければなりません。

マスクやスリッパなど他の物にも注意

注意すべきは靴下だけではありません。犬が興味を示し、誤飲しやすいものは身の回りにたくさんあります。例えば、最近では使用済みのマスクを好む犬も増えています。マスクも飼い主の匂いが強く、不織布やウレタンの噛み心地を好むようです。また、スリッパの装飾や、靴の中敷き、靴紐などもターゲットになりやすいアイテムです。これらのものを犬が口にしないよう、管理を徹底することが重要になります。

遊び終わった後は必ず片付けよう

愛犬とのコミュニケーションとして、靴下で引っ張り合いこをして遊ぶ飼い主さんもいるかもしれません。遊び自体が悪いわけではありませんが、最も大切なのはその後の管理です。遊びが終わったら、必ず靴下を回収し、犬の届かない場所に保管する習慣をつけましょう。「後で片付けよう」という油断が、取り返しのつかない事故につながる可能性があります。犬の安全は、飼い主の徹底した管理にかかっていることを忘れないでください。

犬 靴下 持っ て いく理由を知り対策を

この記事のまとめ

  • 犬が靴下を持っていくのは飼い主の注意を惹きたいサイン
  • 飼い主の匂いやフェロモンで犬は安心感を得る
  • ストレス発散や遊びの一環として靴下を噛むことがある
  • 布の柔らかい噛み心地を好んでいる場合もある
  • ある調査では約7割の犬が靴下などを奪う経験あり
  • 犬にとって飼い主の匂いは精神安定剤のようなもの
  • 靴下をベッドに運び込むのは安心したい気持ちの表れ
  • 飼い主が追いかけると遊びだと学習してしまう
  • 運動不足やコミュニケーション不足はストレスの原因になる
  • 靴下の誤飲は腸閉塞を引き起こす大変危険な事故
  • 腸閉塞になると開腹手術が必要になることも
  • 特に大型犬は丸呑みしやすいため注意が必要
  • 靴下だけでなくマスクやスリッパの誤飲にも気をつける
  • 対策として犬の届かない場所に靴下を保管することが基本
  • 遊びで使った場合も最後は必ず回収する習慣をつける
スポンサーリンク

よかったらシェア
目次